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ライター&ライダー・SONICの自転車小話
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    第2回スズカ8時間エンデューロ春SP・アタック120レースレポート

    今年のスズカ8時間エンデューロ春SPは、ずっと雨だった。
    特に僕が出場予定だったアタック120が開催された2日目の日曜日は、台風の影響で風雨が強まることが予想されていた。

    スズカ8時間エンデューロには、自転車に乗り始めて間もないころから毎年プライベートで出場していて、個人的には非常に思い入れがある。
    過去にはチームでクラス優勝したこともあったが、ここ数年は春にアタック240、秋に8時間ソロと、長距離のソロ系種目にエントリーし、実力を試すのが楽しみだった。
    しかし、今年から大会の取材にガッツリと関わることになったため、レースに出場できるかどうかは微妙だった。
    そこで、大会の取材ディレクターにお願いし、「アタック240はさすがに無理だけど、120にだったら出てもよい」との許可をもらい、自費エントリーしたのだった。

    だが、正直なところ、今回は出走するかどうかを当日の朝まで悩んだ。

    レースには出たい。
    エントリーフィーも惜しい(←セコイ)。
    近しい友人には「今回はガチで勝ちを狙いに行く。最低でも表彰台には乗ってくる」と宣言していた手前、DNSというのもカッコ悪すぎる(笑)。
    だが、大会の取材という大役を仰せつかっている以上、落車は絶対厳禁。
    しかも、大雨と強風が予想される気象条件だ。
    結局、前日の晩は常に頭のどこかでこのことを悩みつつも、「当日の朝様子を見て決めよう」と結論を先延ばしし、床についた。

    明くる日曜日。
    雨は前日より一段と強くなっていた。
    だが、風は思ったほど強くはなかった。
    こりゃ行けるかなぁ……なんて思っていたら、偶然チームメイトに出くわした。
    「この雨の中でレースはツライですねぇ」という言葉と裏腹に、着々とレースの準備を進めていた。
    よし、僕も走ろう――。
    チームメイトが僕の背中を押してくれた。

    前日の6時間エンデューロオープンの部で優勝したディアブロさんから、
    「ウォーマー類は濡れて冷たくなるので、マッサージオイルで雨水を弾くようにするといい」
    とアドバイスをいただいていたので、脚と腕にたっぷりとマッサージオイルを塗った。
    チームスイートに顔を出し、チームメイトにあいさつして試走へ。
    2周ほど脚を高回転で回しつつ、最後は心拍を意識的に高めてウォーミングアップ完了。
    調子は悪くない。
    しかし、カーボンホイールのブレーキが効きにくいのと、古いタイヤのグリップ感が乏しいのには本当に参った。

    そこで今回の作戦。
    ●なるべく集団前方で安全に走る
    ●コーナーリングは一つひとつの動作を確実に行う
    ●常にタイヤのグリップ感を意識して走る
    ●無理・無茶をしない
    以上。
    作戦でも何でもないではないか、というツッコミはなしよ。

    補給食(実際に走るのは3時間程度なので、パワージェル満タンのジェルフラスク×2とCCDドリンク1本)を用意し、スタートラインに並ぶ。
    ……が、並ぶところを間違っていたようで、慌ててアタック120と4時間エンデューロの選手集合場所に向かう。
    何とかフロントローをキープするのに成功した。

    スタートラインに立つと、いつになく緊張感が高まってきた。
    僕がレース直前に必ず行っている“いつもの儀式”(験担ぎのようなもの。恥ずかしいので内容は秘密(笑))を済ませると、少しは落ち着きを取り戻した。
    そして腹も据わった。


    ※2011スズカ8時間エンデューロ春SP・大会WEBから

    ……3、2、1、スタート!
    号砲とともにクリートをはめる。
    一発キャッチ!
    幸先よくスムーズにローリングスタートに乗ることができた。

    西ストレートのあたりで先導が離れ、実質レーススタート。
    ペースが上がる。
    だが、落車多発ポイントのヘアピンカーブやデグナーは、ちょっとでも雑な走り方をすると後輪が滑る。
    それ以外のところでも、ラインによっては後輪がグリップを失いかけた。
    怖い、怖すぎる……。
    S字も、最初はビビリながらだったので、ブレーキの感覚やグリップを確かめながら下っていく。
    ……あっという間に集団後方に下がってしまった。
    ホームストレートで前方に上がる→ヘアピンの立ち上がりや下りで集団後方へ……
    という繰り返し。
    序盤は自主的にインターバルを繰り返す、最悪の走り方だった。
    しかも、あとで聞いた話だと、優勝候補の最有力のY選手は序盤から逃げ、最大40秒以上のリードを保っていたらしい……。

    でも、神様は僕を見放していなかった。

    男前な逃げを決めていたY選手は10周ほどで集団に吸収。
    実はレース前からBSジャージの人を徹底マークしようと思っていたのだが、このときにようやく発見したのはY選手が果敢に逃げていたからだったのだ。

    ここからしばらくは膠着状態が続いた。
    僕も徐々にS字やデグナー、下りの“限界ギリギリ”の走りが分かってきて、少しずつ冷静に走れるようになっていた。

    そしてレース中盤(←あとから分かった話では14周目だった模様)。
    集団前方に位置取り、西ストレートの最後の上りでダンシングをしていたら、スプーンカーブのあたりで後続がいなくなっていた。
    目視したところ、すでに数秒のリードがあるようだ。
    「しまった、泳がされたか!」
    と思った。

    まだ先は長い(はず)。
    だが、ここですごすごと集団に戻るのも、何となくバツが悪い。
    集団の中で上位の選手は、僕が逃げていることに気付いていないようにも見えたし、けん制し合ってるようにも見えた。
    でも、誰も僕に同調せず、ひとりで泳がされたことで、闘争心に火が付いた。
    「この雨の中だから、走っているとはいっても泳いでいるようなもの。泳がされたなら、向こう岸まで泳ぎ切ってやろうじゃないの!」
    と、よく分からないけど変なスイッチが入った。
    こうなったら、行けるところまで行くのみ。
    もう後ろは振り向かないことにした。

    しばらくバイク審判も先導のマトリックスの選手もいない完全なひとり旅。
    残り何周かも分からない(ひどい雨だったので、ピットウォールにチームメイトの姿もなく、放送はまったく聞こえなかった)。
    でも、行けるところまで行こうと思った。

    2周ほど走ったところで、後ろに気配を感じた。
    「……やっぱり追いつかれたのか?」
    と、ちらっと確認すると、マトリックスのジャージがひとり。
    向川選手だった。
    どうやら先頭の僕に付いてくれるらしい。

    そうと分かれば、以前某誌の取材でお世話になったので、ゼエゼエしながらもあいさつ(←してる場合かよ)。
    「おお、あのときのライターさんでしたか! ……速いッスねぇ!」
    よかった、覚えてくれてて(笑)。

    「……はぁ、はぁ、リードはどのぐらいあるんですか? ……ぜぇ、ぜぇ、残りは何周ですか?」
    「30〜40秒ほどリードしてるみたいですよ! 残り周回は……確認します」
    となにやら安原監督(?)と無線で通信してくれている模様。
    だが、全然続報が入ってこない。
    後ろが追いついてくるのではないか――という恐怖を常に感じながら、ひたすら高回転キープで踏みまくり、グリップの限界を信じてコーナーも攻めまくった。

    さらに何周か走った。
    当然ながら、向川選手は一度も僕の前に出て引いてくれることはなかった。
    つまり常に僕の先頭固定。
    ほぼ独走しているのと同じ状態だった。
    さすがに限界ギリギリの走行が続いていたので、すでに頭は真っ白だった。

    気持ちが今にも切れそうになったとき、向川選手の声が聞こえた。
    「あと2周です!」
    だが、最大で40秒以上あったリードは、この時点で30秒ほどに縮まっていた。

    あと10kmちょっと。
    「絶対逃げ切る!」
    あえて声に出して気持ちを奮い立たせた。
    息もかなり上がってきて、ほぼ限界に近かったが、残りが見えたことで俄然力がわいてきた。
    でも、そこから先のことはよく覚えていない。
    ゴールを目指してひた走った確かな記憶以外は。



    今思い出せるゴール直前の記憶は、最終コーナーを立ち上がってホームストレートに入ったあたりからだ。
    いつもならなんてことのない、鈴鹿サーキットのホームストレートの上りが、とてつもなく長く感じた。
    いつまでも続くんじゃないか、とさえ思えた。
    ダンシングでゴールスプリントのようなことをしてみたが、まったく長続きしない。
    シッティングに切り替えて脚を回し続ける。

    後ろを振り返る。
    誰もいない!
    残り10m!
    勝利を確信してガッツポーズ。
    「やったぁぁぁぁぁぁ!」
    心の底からわき上がる喜びを素直に声にしながら、フィニッシュラインを越えた。
    最終的に2位に35秒ほどの差を付けての逃げ切り勝ちだった。


    ※2011スズカ8時間エンデューロ春SP・大会WEBから

    スズカ8時間エンデューロのソロ種目で初めて表彰台のてっぺんに立つことができた。
    しかも、およそ7周(40km弱)を単独で逃げ切って勝てたのはうれしい。
    「逃げて勝つのが一番美しい」と信じてやまない僕にとって、最高の勝ち方だ。
    これまでの僕の自転車人生の中で、ベストレースに挙げてもいいだろう。

    ピットではディレクターやカメラマンがわざわざ僕を迎えてくれ、ねぎらいの言葉をくれた。
    チームスイートではチームメイトがお祝いの言葉をくれた。
    ジワジワと優勝が実感できるようになってきた。

    表彰式では、優勝者として自分の名前が呼ばれ、表彰台の一番高いところに立った。
    ここに立って初めて、自分が優勝したのだと心から実感することができた。
    この何とも面はゆい感じ、悪くないなぁ。
    ……しかし、「レースが終わったらすぐさま仕事に復帰しなければならない」という思いで頭がいっぱいで、レース終了後にすぐに着替えてしまい、表彰式の時にジャージを忘れてしまうという大失態。
    というわけで、表彰式の写真はなぜか僕だけ普通の服だったりする。
    次は絶対チームジャージを忘れないようにしなきゃな。
    雨の時は表彰式の時だけ濡れたジャージを着るか、替えのジャージを持って行こう(←備忘録のつもり(笑))。

    残念なのは、いつもなら応援に来てくれる家族がいなかったこと(台風が近づいているのにさすがに呼べない)。
    ……ゴールする瞬間や表彰台に立っている時のパパなんて、自分で言うのもアレだけど、相当カッコよかったと思うぞ(←ジャージを忘れたことを除けばね(笑))。
    ま、パパの最高にカッコイイ姿をカミさんや子どもたちに見てもらうのは、次回以降にとっておこう。

    まだまだ自転車選手としては非力ではあるが、いろいろな方の支えのおかげで、こうしてひとつの結果を残すことができた。
    そのことは素直にうれしい。
    取材の合間にレースに出場することを許可してくれた関係者の皆さん、“チギリ愛”の精神で僕を鍛えてくれた自転車仲間の皆さん、そして休みのたびに自転車に乗りに行くダメ亭主(父・息子)を温かく(?)見守ってくれた家族、天国から僕を最後まで見守ってくれたであろう亡き父と祖父母には、どれだけ感謝してもしきれない。

    だが、ここで満足していては成長できない。
    今回の結果もすでに過去のことだし、あくまで通過点でしかないと思っている。

    次の目標を見据え、一歩ずつ前進しながら、次のレベルとさらなる高みを目指したい。

    JUGEMテーマ:じてんしゃ全般

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